2026/02/24

スクラッチとは?小学生でもわかる特徴・できること・始め方を完全解説

スクラッチ

小学校でプログラミング教育が必修化され、子供の習い事としてもプログラミングが大きな人気を集めています。その中で最もよく耳にする言葉がスクラッチです。スクラッチとは、文字のタイピングができなくても、色鮮やかなブロックを組み合わせるだけで楽しく学べるプログラミングツールです。

世界中の教育現場で使われており、思考力を育むツールとして今非常に注目されています。この記事では、スクラッチとは何かという基本から、小学生の子供ができること、メリットや注意点、具体的な始め方までを完全解説します。パソコンが苦手な保護者の方でも安心してサポートできるよう、専門用語をわかりやすく噛み砕いて説明しますので、ぜひ最後までお読みください。

スクラッチとは?初心者向けにやさしく解説

スクラッチとは、プログラミング教育の入門として世界中で使われているツールです。黒い画面に英語のコードを打ち込む難しいイメージとは異なり、子供でも遊び感覚で取り組める工夫がたくさん詰まっています。ここでは、スクラッチとは一体どのような特徴を持つものなのか、初心者の方に向けて3つのポイントでやさしく解説していきます。

スクラッチはビジュアルプログラミング言語

スクラッチとは、難しい専門用語を知らなくても操作できるビジュアルプログラミング言語と呼ばれる仕組みを採用しています。一般的なプログラミングでは、キーボードを使って英語の文字や記号を入力してコンピューターに指示を出します。

しかし、小学生にとってはアルファベットのタイピング自体が大きな壁になりがちです。スクラッチでは、画面上に用意された色鮮やかなブロックをマウスでつなぎ合わせるだけで、キャラクターを動かしたり音を鳴らしたりするプログラムを作ることができます。

前に10歩動かすやニャーと鳴らすなど、ブロックには日本語で指示が書かれているため、直感的に意味を理解できるのが最大の特徴です。パズルを組み立てるような感覚で楽しみながら取り組めるため、初めてパソコンに触れる子供でも挫折することなく、プログラミングの基礎的な考え方を身につけることができます。

MITが開発した教育用プログラミング

スクラッチは、アメリカにあるマサチューセッツ工科大学のメディアラボという研究機関によって開発されました。マサチューセッツ工科大学は世界トップクラスの理系大学であり、教育とテクノロジーの融合において最先端の研究を行っています。

スクラッチは一部の才能ある人だけでなく、すべての人がデジタル技術を使って自己表現できるようにするという理念のもとに生まれました。そのため、単にプログラミングの技術を教えるだけでなく、子供たちの創造性や体系的に物事を考える力を育むことを目的として設計されています。

日本の小学校の授業でも広く採用されており、文部科学省のプログラミング教育に関するサイトでも紹介されるなど、教育的価値の高さが公的に認められている信頼性の高いツールです。

対象年齢は何歳から?

スクラッチの対象年齢は、公式には8歳から16歳向けと設定されています。小学2年生から3年生くらいになり、ある程度のひらがなや漢字が読めるようになれば、一人でも十分に操作を楽しむことができます。

しかし、年齢制限が厳密にあるわけではないため、高校生や大学生、さらにはプログラミングを学び直したい大人が入門用として使うケースも珍しくありません。また、8歳未満の幼児や小学校低学年の子供向けには、文字を読まなくてもイラストだけで操作できるスクラッチジュニアというタブレット用アプリも用意されています。

そのため、子供の発達段階や興味に合わせて、最初はスクラッチジュニアから始め、慣れてきたら通常のスクラッチに移行するというステップを踏むことも可能です。年齢を問わず、自分のアイデアを形にする楽しさを味わえるのがスクラッチの素晴らしいところです。

スクラッチでできること

スクラッチとは、単にブロックを動かして遊ぶだけのツールではありません。子供たちの豊かな想像力を生かして、本格的な作品を作り上げることができます。実際にスクラッチを使うとどのようなものが作れるのか、代表的な3つのジャンルに分けて紹介します。子供が興味を持ちそうなものがあるかチェックしてみてください。

ゲーム制作

スクラッチで最も人気のある使い方がゲーム作成です。迷路を抜け出すゲーム、上から落ちてくるアイテムをキャッチするゲーム、敵の攻撃を避けるアクションゲームなど、子供たちは自分が思い描いたオリジナルゲームを自由自在に作ることができます。

ゲームを作る過程では、キャラクターの動き、得点の計算方法、ゲームオーバーの条件など、さまざまなルールを自分で決める必要があります。このルール作りの作業が、まさにプログラミング的思考を鍛える絶好のトレーニングになります。

さらに、自分で作ったゲームを友達や家族に遊んでもらい、ここはもっと難しくした方が面白いなどと意見をもらうことで、作品を改善していく力も育まれます。自分が遊ぶ側から作る側に回るという経験は、子供たちにとって大きな自信と喜びに直結します。

アニメーション制作

ゲームだけでなく、自分の好きなキャラクターを動かしてアニメーションを制作することもスクラッチの得意分野です。スクラッチには最初からたくさんのキャラクターや背景のイラストが用意されていますが、自分で描いた絵や撮影した写真を取り込んで使うことも可能です。

キャラクターにセリフを言わせたり、場面ごとに背景を切り替えたり、効果音や背景音楽をつけたりすることで、まるでテレビアニメのような作品を作ることができます。音楽に合わせてキャラクターがダンスをするミュージックビデオのようなものを作る子供もいます。

頭の中にある物語や世界観を視覚的に表現するプロセスは、芸術的な創造力を大いに刺激します。絵を描くことや物語を考えることが好きな子供にとって、スクラッチは最高の表現ツールとなるでしょう。

物語や学習作品

スクラッチは、クイズや紙芝居、学校の学習に役立つツールを作るのにも適しています。例えば、算数の計算問題をランダムに出題するアプリや、歴史の年号を覚えるためのクイズ、理科の星の動きを説明するシミュレーションなど、アイデア次第で学習を楽しくする作品を生み出せます。

夏休みの自由研究として、自分の興味があるテーマについてスクラッチでまとめた発表用の資料を作成する小学生も増えています。単に知識を暗記するだけでなく、その知識を使って人に説明する仕組みをプログラミングすることで、学習内容の理解がより深まります。スクラッチとは、遊びと学びの境界線をなくし、子供のあらゆる興味を深めるための万能なキャンバスとしての役割を果たしてくれる強力なツールなのです。

スクラッチのメリット

プログラミング教育のツールは数多く存在しますが、その中でもなぜスクラッチがこれほどまでに支持されているのでしょうか。ここでは、保護者の視点から見たスクラッチの具体的なメリットを3つ解説します。これから子供にプログラミングを始めさせたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

直感的でわかりやすい

最大のメリットは、パソコンの操作に不慣れな小学生でも直感的に理解できるわかりやすさです。英語のアルファベットを1文字でも打ち間違えると動かなくなってしまう本格的なプログラミング言語とは違い、スクラッチはブロック同士の形が合わなければくっつかないようになっています。

そのため、文法の間違いでつまずくことがなく、自分が考えた論理が正しいかどうかという本質的な部分に集中できます。もし思い通りに動かなくても、どのブロックの組み合わせが間違っているのかを視覚的に確認しやすいため、子供が一人で間違いに気づき、修正する力を養いやすい環境が整っています。このわかりやすさが、プログラミングへの苦手意識をなくし、もっと作ってみたいという学習意欲を自然に引き出してくれます。

創造力と論理的思考が伸びる

スクラッチでの作品作りは、ゼロからアイデアを生み出す創造力と、それを実現するための論理的思考を同時に鍛えることができます。ある小学4年生の男の子は、最初は既存のゲームの真似をしていましたが、次第に自分なりのルールや隠しステージを追加するようになり、驚くほど複雑なプログラムを組めるようになりました。

目的を達成するためには、どのブロックをどの順番で配置すればよいのかを筋道立てて考える必要があります。これはプログラミング教育で最も重視される能力です。試行錯誤を繰り返しながら自分の思い描いた動きを実現していく過程で、困難にぶつかっても諦めずに解決策を探る問題解決能力も自然と身につきます。これらは、将来どのような職業に就くとしても必ず役立つ重要なスキルです。

無料で始められる

保護者にとって非常に魅力的なのが、スクラッチはすべての機能を完全無料で利用できるという点です。高額なソフトウェアを購入したり、毎月の利用料を支払ったりする必要は一切ありません。インターネットに接続できるパソコンやタブレットさえあれば、今すぐこの瞬間からプログラミング学習をスタートできます。

プログラミング教室に通わせるとなると月謝や教材費がかかりますが、スクラッチなら家庭での初期費用を気にすることなく、子供の興味が続くかどうかを気軽に試すことができます。また、常に最新のバージョンが無料で提供され、世界中のユーザーが作った数百万もの作品も無料で見たり遊んだりすることができます。優れた教育ツールが誰にでも開かれていることは、スクラッチの大きな魅力であり、世界中で普及した最大の理由でもあります。

スクラッチのデメリット・注意点

スクラッチは非常に優れたツールですが、万能というわけではありません。子供が利用する上で、保護者が事前に知っておくべきデメリットや注意点もいくつか存在します。安全に、そして効果的に学習を進めるために、気をつけるべき3つのポイントを解説します。不安を解消するための対策も合わせてお伝えします。

高度な開発には限界がある

スクラッチは教育を目的に作られたツールであるため、プロのエンジニアが使うような本格的なアプリ開発や、複雑な人工知能のプログラミングなどを行うには限界があります。スマートフォンのアプリストアで販売できるような本格的なゲームを作ることはできませんし、大量のデータを高速で処理するようなシステムにも向いていません。

しかし、これは小学生の入門用ツールとしては全く問題にならないレベルの話です。スクラッチでプログラミングの基礎となる繰り返しや条件による分岐といった概念をしっかりと理解しておけば、将来本格的なプログラミング言語へステップアップする際に、非常にスムーズに移行することができます。まずはスクラッチで基礎固めをすることが、上達への一番の近道となります。

自己流では伸び悩むことも

スクラッチは自由度が高すぎるため、基礎を学ばずに自己流で進めると、ある程度の段階で作りたいものが作れずに伸び悩んでしまうことがあります。ブロックを適当に並べて偶然動いただけで満足してしまい、なぜそう動くのかという論理的な理解が伴わないケースも見受けられます。

これを防ぐためには、最初は基本の練習問題に沿って作品を作ったり、市販の入門書を参考にしたりして、正しい使い方を段階的に学ぶことが大切です。また、保護者がすごいね、どうやって動かしているのと声をかけ、子供に自分の言葉でプログラムの仕組みを説明させることも効果的です。もし家庭でのサポートが難しい場合は、オンラインの教材を活用したり、短期のプログラミング教室に参加したりして、専門家のサポートを受けるのも一つの良い方法です。

ネット公開時の注意点

スクラッチには、自分の作った作品を世界中のユーザーに向けて公開し、コメントをやり取りできるコミュニティ機能があります。これは世界中の仲間と交流できる素晴らしい機能ですが、小学生が利用する場合は注意が必要です。本名や住所、学校名などの個人情報を作品内やプロフィールに書き込んでしまわないよう、保護者が事前にしっかりと教える必要があります。

また、悪意のあるコメントを書き込まれて傷つく可能性もゼロではありません。スクラッチのアカウントを作成する際は保護者が管理し、子供がネット上でどのように活動しているかを定期的に確認することが大切です。最初のうちは公開機能をオフにして家族の中だけで楽しむようにし、インターネットのルールやマナーを理解できるようになってから公開機能を使わせるのが安全な運用方法です。

スクラッチの始め方

スクラッチの魅力や注意点がわかったところで、実際の始め方について解説します。準備するものはパソコンとインターネット環境だけです。初期設定や面倒な手続きは必要ありません。ここでは、初心者の方でも迷わずにスクラッチを始められるように、具体的な手順と環境別の利用方法をわかりやすく説明します。

公式サイトでの利用方法

スクラッチを始める最も簡単な方法は、インターネットの閲覧ソフトから公式サイトにアクセスすることです。検索画面でスクラッチと検索し、公式サイトを開きます。トップページにある作るというボタンをクリックするだけで、すぐにプログラミングの制作画面が開き、ブロックの操作を試すことができます。

作った作品を保存したり、世界中の公開作品に好意的な評価を押したりするには、無料のアカウント登録が必要です。アカウントの作成は、トップページのスクラッチに参加しようというボタンから行います。ユーザー名とパスワード、保護者のメールアドレスを入力するだけで数分で完了します。

ユーザー名には本名を使わず、子供が好きなニックネームなどを設定するようにしてください。アカウントを作れば、どのパソコンからでも自分の作品にアクセスできるようになります。

ブラウザ版とダウンロード版の違い

スクラッチには、インターネットにつないだまま使うブラウザ版と、パソコンにソフトを入れて使うダウンロード版の2種類があります。ブラウザ版は、インターネット環境があれば常に最新の状態で利用でき、作成したデータはインターネット上の保管場所に自動的に保存されます。

他の人の作品を見たり、自分の作品を公開したりするコミュニティ機能も利用できるため、基本的にはブラウザ版を利用するのがおすすめです。一方、ダウンロード版は一度パソコンに入れてしまえばインターネット環境がない場所でもオフラインで作品作りを楽しむことができます。

旅行先や移動中など、通信環境が不安定な場所で使いたい場合はダウンロード版が便利です。ご家庭のインターネット環境や利用するシーンに合わせて、使いやすい方を選んでみてください。

最初に作るおすすめ作品

初めてスクラッチを開いたときは、何から手をつければいいのか迷ってしまうかもしれません。そこでおすすめなのが、公式サイトに用意されている練習用の短い動画を活用することです。画面上部のチュートリアルというメニューを開くと、キャラクターを歩かせる、音を鳴らす、簡単なゲームを作るといった目的別の動画を見ることができます。

この動画の通りにブロックを並べてみるだけで、プログラミングの基本的な流れを掴むことができます。練習が終わったら、次は自分の名前のアルファベットを動かすアニメーションを作ってみるのが人気です。

文字ごとに色を変えたり、クリックすると回転したりするように設定することで、プログラミングの楽しさを短時間で実感できます。まずは完璧を目指さず、色々とブロックを触って動きの変化を楽しむことが上達のコツです。

よくある質問

スクラッチやプログラミング教育に関して、保護者の方から多く寄せられる疑問にお答えします。子供に習わせる前に知っておきたい費用や効果、将来の学習へのつながりなど、気になるポイントをまとめました。不安や疑問をすっきりと解消して、子供のプログラミング学習を前向きにサポートしてあげましょう。

スクラッチは無料?

はい、スクラッチは最初から最後まで完全に無料で利用することができます。アカウントの登録費用や、毎月のシステム利用料、追加機能のための課金などは一切存在しません。マサチューセッツ工科大学のメディアラボが利益を目的とせずに運営しており、世界中の企業や財団からの寄付によって成り立っているためです。

無料だからといって機能が制限されているわけではなく、高度なプログラムの作成や作成したデータの保存、世界中の作品の閲覧など、すべての機能が自由に使えます。プログラミング教育に興味があるけれど、費用が気になっているご家庭にとって、これほど恵まれた環境はありません。パソコンとインターネット環境さえ準備できれば、子供の好奇心が赴くままに、好きなだけプログラミングの世界を探索させてあげることができます。

大人でも使える?

スクラッチの公式な対象年齢は8歳から16歳とされていますが、大人が使っても全く問題ありません。むしろ、プログラミング未経験の大人が基礎の考え方を学ぶための入門ツールとして非常に適しています。社会人になってからプログラミングに興味を持ったものの、専門用語や英語のコードに挫折してしまったという方は多くいます。

スクラッチであれば、視覚的なブロック操作で条件による分岐や繰り返し処理といった論理的思考の基礎を直感的に理解できるため、無理なく学習をスタートできます。また、子供にスクラッチを教えるために保護者自身が触り始め、いつの間にか子供よりも夢中になって本格的なゲームを作ってしまったという話もよく聞きます。親子で一緒に作品を見せ合いながら学ぶことで、共通の話題ができ、コミュニケーションを深める素晴らしいきっかけにもなります。

何年続ければ効果が出る?

プログラミング学習の効果が出るまでの期間は、子供の興味の度合いや取り組む頻度によって大きく異なりますが、一般的には週に数回のペースで半年から1年程度続けると、論理的思考力に明確な変化が見られるようになります。

最初は練習動画の真似をするだけだった子供が、半年もすればここをこう変えたらもっと面白くなるのではないかと自分で仮説を立て、失敗しても原因を探って修正できるようになります。この試行錯誤の過程こそがプログラミング的思考の成長の証です。

すぐに複雑なゲームを作れなくても焦る必要はありません。大切なのは、すぐに答えを求めず、自分の頭でじっくりと考える習慣を身につけることです。子供が楽しみながら続けている限り、目には見えにくい問題解決能力や創造力は確実に育っていますので、長い目で見守ってあげてください。

中学生になったらどうなる?

小学生の間スクラッチで基礎をしっかり学んだ子供は、中学生になるとより高度な文字入力のプログラミング言語へスムーズに移行できる下地が整います。中学校の技術家庭科の授業でもプログラミングが扱われますが、スクラッチで培った論理の組み立て方は、どのような言語を学ぶ際にも必ず活かされます。

スクラッチの次のステップとしては、ウェブサイトを作るための言語や、本格的なスマートフォンアプリ開発に使われる言語、人工知能の分野でも活躍する言語などに挑戦する子供が多いです。もちろん、中学生になってもスクラッチを使ってさらに高度で複雑な数学的な計算を取り入れた作品を作り続けることも十分に価値があります。スクラッチとは、これからの時代に必要なITの知識を高め、将来の無限の可能性を切り開くための強力な第一歩となります。

まとめ

この記事では、スクラッチとは何かという基本から、特徴やメリット、始め方までを網羅的に解説しました。スクラッチとは、難しい専門知識がなくても、ブロックを組み合わせるだけで直感的にプログラミングを学べる画期的な教育ツールです。ゲーム作成やアニメーション制作を通して、子供たちの創造力と論理的思考力を楽しみながら伸ばすことができます。

無料で始められ、パソコンさえあればすぐに体験できるため、プログラミング教育の第一歩としてこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。自己流で伸び悩むことやネット公開時の注意点といったデメリットも、保護者の適切なサポートがあれば乗り越えられます。

これからのデジタル社会を生き抜く子供たちにとって、スクラッチで培った経験は必ず大きな自信と武器になります。ぜひこの週末に、親子で一緒にスクラッチの世界を体験し、プログラミングの楽しさを味わってみてください。

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