2025/10/27
中学受験にも役立つ?プログラミング的思考が学力につながる理由
小学生のプログラミング教育が広がる中で、保護者の方からよく聞かれるのがこの質問です。
「プログラミングって楽しいのは分かるけど、中学受験に関係あるの?」
一見すると、プログラミングと受験勉強は別のものに見えます。しかし実際には、プログラミング的思考と学力の向上には関係があります。特に算数や理科の問題解決力、国語の読解力など、教科を超えて役立つ場面が多いのです。
今回は、プログラミング的思考がどのように学力に結びつくのかを、実際の授業事例を交えながら解説します。
プログラミング的思考とは何か
まず、「プログラミング的思考」とはどんな力のことを指すのでしょうか。
単なる「コードを書く力」ではない
プログラミング的思考とは、「目的を達成するために手順を考え、実行し、修正する力」のことです。
たとえば、ある動作を実現するために、
・どんな順序で指示を出すか
・どこで条件分岐を入れるか
・うまく動かない場合にどこを直すか
を論理的に考えていく過程そのものが「プログラミング的思考」です。
この考え方は、勉強・受験・日常生活すべてに共通する「問題解決の型」です。
文部科学省も重視する「新しい学力」
実際、文部科学省の学習指導要領では、プログラミング教育の目的を「コンピュータに命令する技術の習得」ではなく、「論理的思考力の育成」と明記しています。つまり、プログラミングは「情報科」の範囲を超え、全教科の学びを支える力として位置づけられているのです。
① 算数との共通点 ― 論理と順序を考える力
プログラミング的思考が最も役立つのは、算数の文章題や図形問題です。
「順序立てて考える力」が鍛えられる
算数の応用問題では、「何を求められているか」「どの順番で解けばよいか」を考える必要があります。プログラミングもまったく同じです。
「もしボタンを押したらキャラクターが動く」という命令を組むには、条件 → 手順 → 結果という順序の理解が不可欠です。
授業でこの考え方を繰り返すことで、子どもは自然と「手順を整理して考える癖」が身につきます。
体験談(小4男子の保護者)
「文章題になると途中で混乱していた息子が、プログラミングを始めてから順番に考える習慣がついたようです。今ではまずここを求めて、次に…と自分の考えを説明できるようになりました。」
図形問題への応用
プログラミングでは座標や角度、繰り返し処理を扱うことがあります。たとえば「90度回して四角形を描く」といった命令を組むとき、子どもは無意識のうちに図形の性質や空間認識力を使っています。これは算数の図形問題に直結する感覚です。
② 理科や社会に生きる ― 因果関係を考える力
理科や社会の問題で求められるのは、「なぜそうなるのか」を論理的に説明する力です。
プログラミングでは、必ず「原因」と「結果」が存在します。
「もし○○をしたら△△が起こる(if文)」という考え方を繰り返すことで、子どもは自然と因果関係を意識するようになります。
理科の「なぜ氷は溶けるのか」「なぜ植物は光のある方へ伸びるのか」といった問いにも、同じ思考法が役立ちます。
③ 国語にもつながる ― 筋道立てて説明する力
国語とプログラミング、一見関係なさそうに見えますが、実は深いつながりがあります。
「分かりやすく伝える」ことが共通している
プログラミングでは、コンピュータが理解できるように正確に命令を書く必要があります。つまり、「どうすれば相手(機械)に伝わるか」を考えながら文章を組み立てているのです。この練習は、国語で求められる説明力・構成力に通じます。
体験談(小5女子の保護者)
「作文が苦手で、いつも話が飛びがちだった娘が、プログラミングを始めてから最初に〜して、次に〜してと順序立てて話せるようになりました。国語力にも良い影響があると感じています。」
「読解力」も自然に伸びる
プログラミングを進める中では、先生の説明やブロックの意味を読み解く必要があります。「これはどんな動きを指しているのか?」と考えるうちに、文章の意味を正確に読み取る力が養われます。
④ 中学受験で求められる「思考力」との一致
近年の中学入試では、単純な暗記よりも「思考力・記述力・表現力」を問う問題が増えています。
プログラミングで鍛えた思考法がそのまま活かせる
中学受験の問題の多くは、「情報を整理し、仮説を立て、筋道を立てて説明する力」を求めます。これはまさにプログラミングで学んでいるプロセスそのものです。
・問題を分解する(分割)
・法則を見つける(パターン化)
・最適な手順を選ぶ(アルゴリズム)
この3つのステップは、どの教科にも共通する「考える型」として非常に有効です。
「思考の柔軟性」が差をつける
また、受験問題では一見解けそうにない問いに出会ったとき、発想を切り替える柔軟さが求められます。プログラミングの授業で「うまくいかないコードを修正する」経験を積んでいる子は、この柔軟な発想が自然と身についています。
⑤ 「勉強」と「プログラミング」は対立しない
「勉強の時間が減るのでは?」という心配の声もありますが、プログラミングは他の学習を妨げるものではありません。むしろ、勉強の効率を高める思考の筋トレになります。
プログラミングでは「考える順序」や「全体の構造」を意識する習慣がつきます。これは勉強でも非常に重要で、
・算数:途中式を整理する
・国語:段落ごとの関係を把握する
・理科:実験の手順を整理する
など、あらゆる教科に応用できます。
体験談(小6男子の保護者)
「中学受験の勉強をしていて、先生の説明が分かりやすく感じるようになったと言っています。“順序を考える力”がついたことで、理解のスピードが上がっているようです。」
まとめ ― “考える力”が学力を支える
プログラミング的思考は、単なる技術ではなく、学力の根っこを育てる力です。
・算数では「順序立てて考える力」
・理科では「因果関係をつかむ力」
・国語では「筋道立てて伝える力」
このように、教科を超えて学びを支える思考力が身につきます。
そして何より、子どもが「考えることを楽しむ」ようになるのが最大の成果です。中学受験に限らず、これからの社会で必要とされるのは“自分で考えて答えを導き出す力”。プログラミングはその第一歩になるのです。
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