2025/11/17
プログラミングで伸びる自己肯定感― 自分を信じられる子になる理由 ―
プログラミングの授業を見ていると、子どもたちの表情が変わっていく瞬間があります。「分からない…」「これでいいの?」と不安そうだった顔が、「できた!」「動いた!」という瞬間にパッと明るくなる。
この小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感を確実に育てていきます。
最近、教育現場・心理学のどちらでも注目されているキーワードが、この「自己肯定感」。
でも、ただ褒めればいいわけではありませんし、無理に自信を持たせることでもありません。
本当に子どもの自己肯定感が育つのは、自分の力でできたという実感を積み重ねたとき です。
プログラミングはその体験を自然に生み出せる、非常に珍しい学びです。この記事では、授業の実例を交えながら、その理由をお伝えします。
自己肯定感は「できる」ではなく「できた過程」で育つ
自己肯定感というと、「成功したら上がる」「褒められたら高まる」と考えがちですが、実際は違います。一時的な成果や賞賛はすぐ薄れます。
本当に必要なのは、「できた!」の裏にある「プロセス」への自信。
プログラミングには、このプロセスが詰まっています。
うまくいかない → 工夫する → 動いた!
この流れを何度も経験すると、子どもはこう感じます。
「自分でやれば、なんとかなる」
これこそが本当の自己肯定感です。
小さな成功体験が積み重なる環境
プログラミング教室では、1回の授業で何度も「できた!」が生まれます。難易度の高い問題を解く必要はありません。むしろ、小さな成功がたくさん起こる構造になっています。
最初の授業で多くの子が作るのが「猫を1歩動かすプログラム」です。たったこれだけでも、子どもにとっては「自分が考えて作ったものが動いた!」という衝撃的な体験です。
失敗を恐れなくなる
プログラミングは、うまくいかないことのほうが多い。むしろ「失敗しながら進む」ことが前提の学びです。だからこそ、失敗を悪いことではなく次へのヒントとして受け取れる子になります。
授業ではこういう声かけをします
・「動かなかったね、じゃあどうする?」
・「ここを変えたらどうなると思う?」
・「1個ずつ試してみようか」
責めることは一切ありません。その結果、子どもはこう感じ始めます。
「失敗しても大丈夫。直せばいい。」
これは、自己肯定感の核心です。失敗は「能力の否定」ではなく、「ただの出来事」になります。
自分で原因を見つけられた経験が“本物の自信”になる
大人でもそうですが、人は「教えてもらってできた」よりも、「自分で気づいてできた」ほうが何倍も誇らしいものです。プログラミングでは、「原因を探し、修正する」という「思考の旅」 が自然と発生します。
例:キャラクターが動かないとき
・ブロックの順番が違った
・向きが逆になっていた
・条件が満たされていなかった
どれも「子どもの発見」で解決できる部分です。
授業エピソード
小3の女の子が、キャラクターが止まってしまうエラーで悩んでいました。先生は答えを言わず、「どこが止まってる?」と尋ねただけ。
数分後、彼女は「あ!これだ!」と言って自分で修正しました。この「自分で見つけた」体験が静かで深い自己肯定感を育てます。
自己肯定感は“比較”ではなく“成長実感”から生まれる
学校のテストは「平均点」「順位」「評価」で比較されます。しかし、自己肯定感は比較では育ちません。
必要なのは、昨日よりできるようになったという実感。
プログラミングの学びは、まさにこの成長実感に満ちています。
・昨日は動かなかったものが動いた
・前回よりスムーズに作れた
・作品に新しいアイデアを入れられた
成長が自分で分かるから、「自分はできるようになっている」という長期的な自己肯定感が育ちます。
まとめ ― 自己肯定感は「自分を信じる体験」で育つ
プログラミングで育つ自己肯定感とは、単なる「褒められた」「成功した」ではありません。
・失敗しても諦めなかった
・自分で気づけた
・小さな成功を積み重ねた
・昨日より成長していた
このすべての経験が、自分でもできるという静かな確信に変わっていきます。それが、子どもを一生支える本物の自己肯定感です。プログラミングは、その成長を自然に引き出す学びなのです。
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