2025/10/06
子どもが変わる!プログラミングを通じて身につく3つの非認知能力
プログラミング教育というと、「論理的思考」や「計算が得意な子が伸びる学び」といったイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが実際に子どもたちの授業を見ていると、身についているのはそれだけではありません。
画面の前で一生懸命考える姿、失敗してもあきらめずに取り組む姿、そして自分のアイデアを形にして嬉しそうに見せる姿──。そこに見えるのは、集中力・粘り強さ・創造力といった「非認知能力」の成長です。
テストの点では測れないけれど、人生を通して大きな力になる。今回は、私たちの教室での授業風景や保護者の声をもとに、その変化を紹介します。
プログラミングが「非認知能力」を育てる理由
プログラミング教育は単なるスキル習得ではありません。子どもが考え、工夫し、試行錯誤する過程の中で、自然と「心の力」が育っていきます。ここではまず、「なぜプログラミングで非認知能力が伸びるのか」を解説します。
非認知能力とは何か
非認知能力とは、テストや成績では測れない力のことです。たとえば集中力、忍耐力、協働性、自己肯定感、創造力などがそれにあたります。教育研究では、この力こそが「子どもの将来の幸福感や成功」を支えるとされており、近年特に注目されています。
プログラミングでは、子どもが自分で考えて行動することを求められます。答えが一つではない課題に取り組む中で、思考力や柔軟性が磨かれるのです。
プログラミングで非認知能力が育つ理由
授業中、先生は「こうすれば正しい」と教えることはほとんどありません。代わりに「どうしたら動くと思う?」「この部分を変えたらどうなるかな?」と問いかけます。子どもたちは試し、失敗し、また考える。このサイクルが繰り返されることで、集中力や粘り強さ、創造力といった“見えない力”が育っていくのです。
① 集中力 ― 一つのことに没頭する力
プログラミングの授業では、子どもたちが思わず時間を忘れるほど集中して取り組む場面が多く見られます。その「夢中になる力」こそ、学びの原動力です。ここでは、プログラミングがどのように集中力を引き出しているのかを見ていきましょう。
授業中の集中の様子
プログラミング中の子どもは、驚くほど静かです。パソコンの画面をじっと見つめ、マウスを操作する手が止まりません。キャラクターを思い通りに動かすために試行錯誤する姿は、まるで研究者のようです。
この「自分の手で動かす楽しさ」が、集中力を支えます。最初は数分しか集中できなかった子でも、回数を重ねるうちに自然と長時間の作業に耐えられるようになります。
体験談(小2男子の保護者)
「落ち着きがなく、家では宿題も続かないタイプでしたが、教室では1時間ずっと集中していると聞いて驚きました。自分のキャラクターが動くのが楽しいようで、『あともう少し!』と最後までやり切る姿を初めて見ました。」
自分から集中する力に変わる
この集中は「やらされている」ものではなく、「やりたいから集中する」ものです。自分の興味や目的を持って取り組む経験は、学校の勉強にも良い影響を与えます。「自分で考えて集中する力」は、一生の財産になるのです。
② 粘り強さ ― 失敗してもあきらめない力
プログラミングの学びは、成功よりも「うまくいかない瞬間」が多いものです。けれども、その失敗こそが子どもを強くします。ここでは、プログラミングを通じてどのように“あきらめない心”が育っていくのかを紹介します。
失敗の連続から学ぶ
授業では、思った通りに動かないことが当たり前です。キャラクターが反対に動いたり、音が出なかったり。けれども先生はすぐに答えを教えません。「どこが違うと思う?」「ここを変えたらどうなるかな?」と声をかけ、子ども自身が修正するよう促します。
この経験が、子どもの中に「もう一度やってみよう」という気持ちを育てます。成功よりも失敗を繰り返すことで、あきらめない力が養われていくのです。
体験談(小4女子の保護者)
「最初は『うまく動かない!』と文句を言っていましたが、今では何回も直して完成させるようになりました。家でも『間違っても大丈夫、やり直せばいい』と言うようになり、性格が前向きになった気がします。」
「失敗する力」が未来を支える
AI時代に求められるのは、知識よりも「失敗から学ぶ力」です。プログラミングでは失敗が当たり前だからこそ、挑戦する勇気と修正する習慣が自然と身につきます。これは、どんな職業にも通じる普遍的な力です。
③ 創造力 ― 0からアイデアを形にする力
プログラミングは、単なるロジックの訓練ではなく「自分の世界を表現する学び」でもあります。子どもたちは好きなキャラクターを動かし、音や色、ストーリーを組み合わせながら自由に表現します。その過程で育つのが「創造力」です。
授業中の創造の瞬間
授業では、同じ課題でも一人ひとり全く違う作品が生まれます。ある子はネコが星を集めるゲームを作り、別の子は宇宙を旅する物語を作ります。プログラムの正解は一つではないからこそ、子どもたちは自由に発想を広げていけるのです。
体験談(小3女子の保護者)
「お絵かきが好きな子でしたが、プログラミングを始めてから『自分のキャラを動かしたい!』と言い出しました。絵だけでなく“物語”を作るようになり、創造の幅が広がっています。」
失敗を恐れず発想できる環境
創造力は安心感の中で育ちます。授業では、子どもが間違ったコードを書いても先生は否定しません。「その発想、面白いね」と声をかけ、別の角度から一緒に考えます。間違いが歓迎される環境だからこそ、子どもは自由に発想できるのです。
成績では測れない「変化」を見る
プログラミングを通じて育つ非認知能力は、テストの点では測れません。けれども、授業を見ていると明らかな変化が見えます。
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以前よりも最後までやり遂げるようになった
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失敗しても笑顔で「もう一回」と言えるようになった
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自分の考えを言葉で伝えられるようになった
これらはどれも、AI時代に求められる「人間らしい力」です。学力だけでなく、心の成長を感じ取ることができるのが、プログラミング教育の大きな魅力です。
まとめ ― 非認知能力こそ未来を切り拓く力
AIが発展する時代において、人間にしかできないことは「感じる」「考える」「創り出す」ことです。プログラミングは、それらを自然に育てる学びです。
集中して取り組む時間、失敗を乗り越える経験、自分のアイデアを形にする喜び――。これらの積み重ねが、子どもの自信と生きる力を育てます。
プログラミングは単なる“技術教育”ではありません。子どもの中にある「非認知能力」を引き出し、人生を切り拓く力へと育てる学びなのです。
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