2017/02/07

計算は電卓で!!計算よりも算数の考え方を勉強しよう

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。当教室では「計算や暗記はコンピュータの得意分野」という前提で、計算や暗記ではなく考え方を学ぶことを教えています。実際にどんなに計算や暗記が得意な人でもコンピュータに勝つことはできないでしょう。しかし、計算ミスはするな、公式をしっかりと覚えなさいという教育がなされているため、計算練習や暗記に時間を割く必要があります。それは入試問題がこうした能力を重視しているというのもあるのですが、このままではコンピュータに勝てないと分かっていながら、同じことをやり続けることになりかねません。

こうした現状は海外でも同じなのかというと、そうでもないようです。アメリカの中学校2年生は約9割の生徒が電卓を利用しています。こうした状況から考えると計算を重視した算数・数学教育がされているなあと言わざるを得ません。国立教育研究所の長崎栄三さんは以下のように述べていて、私もその通りではないかなと思います。

電卓を上手に利用すれば数学の学力に影響がないようですから,電卓の長所を活かして生徒に興味・関心を抱かせる数学が作れないでしょうか.新教育課程の数学基礎ではどうでしょうか.例えば,実世界の中から電卓を上手に利用して取り組むことができる課題を工夫して,文化や社会と数学のつながりを考えることができそうです.現在,グラフ電卓については,その性能はよくなり,一方で価格も安くなり,また,理科教育振興法で国の援助を受けて購入できるのです.
数学は,その純粋な理論に至高の価値があると気張っているうちに,生徒は数学から離れてしまいます.生徒の主体的な探究活動を助ける道具として,グラフ電卓やコンピュータを使ってみませんか.

世界の数学教育・日本の数学教育

また、日本で注目されているフィンランドの教育。以下の記事の中で出てくる話はとても面白いです。

著名な物理学者でプリンストン高等研究所名誉教授のフリーマン・ダイソンにインタビューしたことがある。教育のあり方についてたずねると、ダイソンは「小さな子どもたちに数学を無理やり教えるのは大きな誤りです」と指摘した。

「では、学校教育でレベルの高い数学はどのように教えればいいのでしょうか?」
「不要ですね」

量子電磁力学や固体物理学の発展に貢献後、ゲーム理論の研究に携わってきた天才がこう言い切るのだ。

ダイソンは、教育不要論ではないと断ったうえで、「一般人として知っておくべきことは当然ありますが、教え方が完全に誤っているんです」と指摘する。

ダイソンによれば、米国の学校教育は、でこぼこの野原での運転術ばかり指導し、ハイウェイの走り方を教えないようなものだという。最大の原因は暗記重視の教育にある。本当に必要なのは、数学という道具の使い方を教えることだ。

彼の主張を端的に言えば、九九など不要。学校では電卓を持たせればいい。草ぼうぼうの道を平らにして、子どもたちが走りやすい環境を作るのが、親や教師の役目と言っているのだ。

学力世界一のフィンランドでは「九九」を暗記せず、「電卓」を使う

「数学という道具の使い方」はとても大事ですよね。こうしたことはアメリカでもできていないという指摘なのですが、日本もできていないですよね。前述したように、日本の学校では電卓はほとんど使いません。

ハイテクが普及する前は、抽象的な知識を持つ人間が大切にされた。ところが、スマートフォンやらウィキペディアやらが普通に使える時代に、どこかの国の2番目に大きな都市の名前をそらで言えることにどれほどの価値があるだろうか。むしろ、プラットフォームを上手に生かして必要な情報を探し出す能力のほうが重要ではないか。

今はプラットフォーム時代だ。計算能力よりも、独創性豊かな問題解決策を編み出すことのほうがずっと意味がある。つまり、プラットフォームを活用すれば、1から基礎を身に付けるよりも速く基礎をマスターできるのだ。

教室での電卓使用を長年研究してきた研究者らは「こうした道具の利用を低年齢のうちに教えないと、青年期になって必要な作業能力が身に付かない」と警告する。

世の中が進化すれば、教育のあり方も常に見直す必要がある。そのときどきのプラットフォーム、つまり与えられた環境を踏まえて、最低限やらなければならないことを見極めるべきだ。今の子どもたちなら九九ではなく、エクセルが使えるようになったほうがいい。

学力世界一のフィンランドでは「九九」を暗記せず、「電卓」を使う

「九九よりもエクセル」と言われると抵抗があるかもしれないですが、計算問題ばかりやらされ、しかも計算ミスで×にされ、「算数・数学大嫌い」となるのは本当にもったいないですよね。検索ですべてが分かった気になるのは問題なのですが、情報を調べるツールとしてはこれ以上のものはないのですから、こうしたツールを利用して勉強していく必要は間違いなくあります。

これからますますコンピュータが利用される時代において、教育の仕方も変えていく必要があります。そのために2020年にプログラミングが小学校で必修化されるのですが、しかし、その方向性がはっきりと見えてきません。授業の一部でちょっとプログラミングをやる程度では大きな教育上の変化とは言えないでしょう。タブレットを導入して「コンピュータを使った教育をしています」というのもまた違います。あくまでもコンピュータやタブレットは道具でしかありません。それをどのように教育の中で生かしていくのか、真剣に考える必要があると思います。私達の教室では算数をプログラミングすることで、これまでにない教育が実現できると考えています。ご興味のある方はぜひ説明会&体験会にご参加ください。

多くの方にプログラミング教室スモールトレインに参加していただくため、コースとして月2回、月4回、月8回とあり、曜日固定ではなく空いている時間に来られます。土曜日も開講しておりますので、遠方だからと悩んでいる方もぜひ説明会にご参加ください。お待ちしております。また国語オプション講座も実施しております。詳細はお尋ねください。

現在、プログラミング教室スモールトレインでは、説明会&体験会を実施中です。説明会&体験会は2月11日・18日・25日(土)に開催します。日程のご都合がつかない場合は別日程で個別に説明させていた頂きますので、ご都合のよろしい日時をご連絡ください。

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