2025/11/04

「できた!」の瞬間を大切に~小さな成功体験が子どもを変える

成功体験

プログラミングの授業で、子どもの目が一瞬で輝く瞬間があります。それは、長い試行錯誤の末にキャラクターがようやく動いたとき。
エラー続きで何度も止まっていたプログラムが、思い通りに動いた瞬間。小さな「できた!」の声が、教室に響きます。

この「できた!」こそが、子どもを大きく変える力を持っています。今回は、私たちの教室で実際に起きた「成功体験の瞬間」をもとに、子どもの内面にどんな変化が起きるのかを紹介します。

なぜ「できた!」の瞬間が大切なのか

プログラミングでは、思った通りに動かないことが当たり前。だからこそ、できた瞬間の喜びが何倍にも膨らみます。ここでは、子どもが感じる達成感がどのように学びの力に変わるのかを見ていきます。

「できた!」が自信になる

子どもにとって、自分の力で目標を達成した経験ほど大きな自信はありません。先生や親に褒められるのも嬉しいけれど、自分でやり遂げたという実感こそが、本当の自己肯定感を育てます。

プログラミングの魅力は、この「自分で考えて、試して、成功する」過程が自然に組み込まれていることです。最初は「先生、動かない!」と助けを求めていた子も、何度か経験を積むうちに、「ここを変えたら動くかも」と自分から考え始めます。そして、成功した瞬間の笑顔は、まさに成長の証です。

成功体験は「次へのエネルギー」になる

成功体験は一度で終わりません。その喜びが、次の挑戦への原動力になります。一度「できた!」を経験した子どもは、「今度はもっと難しいことをやってみよう」と自然にステップアップしていきます。

失敗のあとに訪れる「できた!」の瞬間

プログラミングの学びでは、成功の前に必ずうまくいかない時間があります。この「失敗→修正→成功」という流れが、子どもの心を大きく育てます。

「失敗」こそ、最高の学びの種

プログラミングでは、エラーが出るのが当たり前。でも、教室では「失敗した=悪いこと」ではなく、「次に進むためのヒント」として扱います。先生は「どこを直したらいいかな?」と声をかけ、子どもと一緒に考えます。

こうしたやり取りの中で、子どもは「失敗しても大丈夫」という安心感を得ます。その安心が、挑戦する勇気につながり、「もう一回やってみよう」という粘り強さを生むのです。

「やり直せばできる」という信念が生まれる

何度も挑戦するうちに、子どもたちは自然と「やり直せばできる」という感覚を身につけます。この経験は、プログラミングだけでなく勉強や生活にも活きていきます。

授業風景より
Scratchで作ったゲームがうまく動かず、落ち込んでいた子がいました。先生が「どこを直してみようか?」と声をかけると、「たぶんここ!」と目を輝かせて修正。数分後、キャラクターが動いた瞬間、教室中が拍手に包まれました。このような成功体験が、子どもにとっての“心の財産”になります。

教室で大切にしている「小さな成功」の積み重ね

私たちの教室では、「一度に大きな成果を出すこと」よりも「小さな成功を積み重ねること」を大切にしています。

1つの成功が“自己効力感”を高める

心理学でいう「自己効力感(self-efficacy)」とは、「自分はやればできる」という感覚のこと。この感覚がある子どもは、困難に直面しても前向きに挑戦できます。プログラミングの授業では、毎回必ず「自分の力でできた」と思える小さな達成を用意しています。

体験談(小4女子の保護者)
最初は操作も怖がっていましたが、1つできるたびに先生が「できたね!と声をかけてくれました。家でも『今日はボタンを動かせたんだ!』と嬉しそうに話していて、最近では自信を持って発表もできるようになりました。

「次はこれをやってみよう」と思える循環を作る

小さな成功体験が積み重なると、子ども自身が「次の目標」を見つけるようになります。“誰かにやらされる学び”から、“自分でやりたい学び”へと変わっていくのです。この自主性の芽が育つと、子どもは自ら課題を見つけ、工夫する力を身につけていきます。

③ 褒め方にもコツがある ― “結果”より“過程”を認める

子どもを成長させるためには、「褒めること」も大切です。ただし、プログラミング教育においては「できた結果」よりも「できるまでの過程」を褒めることを重視しています。

「できるようになるまで頑張ったね」が心に響く

「動いたね!」だけでなく、「何度も試して直せたね」「途中で諦めなかったね」と声をかけると、子どもは“努力の価値”を理解します。この声かけが、粘り強さや挑戦を支えるエネルギーになります。

先生と子どもの信頼関係をつくる声かけ

授業中、子どもが小さな成功を喜ぶとき、先生も同じように喜びます。「やったね! さっきの工夫がうまくいったね!」
この共感の瞬間が、子どもの心に深く残ります。「この先生と一緒なら頑張れる」という信頼が、学びを支える土台になります。

「できた!」は“人とのつながり”を育てる

成功体験は、個人の自信を育てるだけでなく、他人との関係性を豊かにします。プログラミング教室では、友達の作品を見せ合ったり、助け合ったりする場面が多くあります。誰かが「できた!」と言うと、「すごいね!どうやったの?」と声をかける子が現れます。こうした交流を通して、子どもたちは「人と喜びを共有する力」を学んでいきます。

 

成功体験が「学びを楽しむ心」を育てる

「勉強が好きになる」ためには、まず「できる喜び」を知ることが大切です。プログラミングの中で得た達成感は、他の教科にも波及します。

子どもは「できた」経験を通して、「やってみればできる」という感覚を身につけます。この感覚は算数の文章題でも、英語のリスニングでも、すべての学びに共通する“前向きな姿勢”を支えます。

体験談(小5男子の保護者)
「以前はすぐに“無理”と言っていた息子が、今では“とりあえずやってみる”と言うようになりました。プログラミングを通じて、“やればできる”という気持ちが育っているのを感じます。」

まとめ

「できた!」という一瞬の喜びは、小さなものに見えて、実は子どもの人生を動かす大きな力を持っています。
それは、

  • 自分を信じる力
  • 失敗を恐れない力
  • 他人と喜びを共有する力

へとつながっていきます。

プログラミングの学びは、結果ではなく「過程の中に成長がある」学びです。私たちは、今日も子どもたちの「できた!」を見逃さず、その瞬間を一緒に喜ぶことを大切にしています。

プログラミング教室スモールトレインでは、プログラミングと小学生対象の学習指導を行っています。オンラインでの指導も行っていますので、ご興味のある方はこちらからお問い合わせください

ページトップへ