2016/06/30

やさしく教育論③~「国語ができません」

国語

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。第7回目はやさしく教育論③として「国語ができません」です。こちらもやさしくデジタル2015年12月号に掲載されたものが元になっています。

「国語ができない」ってどういうこと?

「ほんとうにうちの子供は国語ができません」。これはよく聞かれる言葉です。しかし,国語がなぜできないのかと先生に質問してもあいまいな解答が多く,最終的には「読書をしてください」と言われてしまうこともあります。

では国語ができる・できないとは何なのでしょうか?私は国語ができる・できないを国語力がある・ないと言い換えています。国語力とは読解力(1階)の上に得点力(2階)が乗っているという2階構造です。

そのため読解力があっても点数が取れないということもありますし,得点力だけでそれなりの点数が取れる人もいます。これは中学入試の話なので一般化しますと,2階は得点力よりも説明力の方が分かりやすいでしょう。

読解力があるのに,理解力があるのに説明が下手な人というのは良くいますよね。それは決して内容を理解していないわけではなく,説明力がないだけです。逆に言えば説明力を訓練によって鍛えることができれば,分かりやすい説明ができるわけです。

さて,話を中学受験の国語に戻すと国語というのはスタートラインがみんな違います。ゴールに近いところからスタートする人もいればコールから遠いだけでなくみんながスタートするラインよりもさらに遠いところからスタートする人もいます。これは得点力の差ではなく,読解力の差です。得点力というのは得点を取るためのテクニックですからほとんど差がでないのです。

では,読解力というは何なのでしょう。読解力を構成する要素としては漢字・知識といった語彙力と文と文の関係,つまりは接続詞をしっかりと理解できているかがとても重要です。特に因果関係が分かっているかどうかが重要なポイントです。

例えば一文であれば内容が理解できるのに文章が長くなると理解できないということがよくあります。それは文と文がつながらないからなのです。要約をさせるとよく分かるのですが,箇条書きはできても文章にならない生徒が多くいるのです。さらに何が重要な部分なのかもよく分からないという状態になっているので,要約がとても長い文章になってしまいます。

また,文章を理解するには行間を読むことが必要になります。そのため,私は読解力を測るために,よく以下のジョークの何が面白いのかを説明させていました。ジョークというのは行間を読まないといけないので読解力の測定するツールとしては最適なのです。みなさんも以下のジョークの面白さについて説明してみてください。

失業中のトムの一日

アメリカ人のトムは現在,失業中の身である。

朝7時に時計(日本製)のアラームが鳴る。コーヒーメーカー(台湾製)がゴボゴボいっているあいだに,彼は顔を洗いタオル(中国製)で拭く。電気カミソリ(香港製)できれいに髭も剃る。

朝食をフライパン(中国製)で作ったあと,電卓(日本製)で今日はいくら使えるかを計算する。

腕時計(台湾製)をラジオ(韓国製)の時報で合わせ,クルマ(ドイツ製)に乗り込み,仕事を探しにいく。

しかし,今日もいい仕事は見つからず,失意と共に帰宅する。彼はサンダル(ブラジル製)に履き替え,ワイン(フランス製)をグラスに注ぎ,豆料理(メキシコ製)をつまみながら,テレビ(インドネシア製)をつけて考える。

「どうしてアメリカにはこうも仕事がないのだろうか…」

(『世界の日本人ジョーク集』,58頁)

いかがでしょうか。 このジョークの何が面白いのか考えてみてください。プログラミング教室スモールトレインでは、私が中学受験を専門に教えていたこともあり、国語についてのご相談にのることも可能です。興味のある方がいましたら、現在、説明会&体験会を実施中ですので、そちらに参加した際にお気軽にお尋ねください。

*このコラムは、コンピュータリブ社の発行する「やさしくデジタル12月号」に掲載されている内容を許可をいただいて加筆して転載しております。

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