2016/12/08

「小学校にプログラミングがやってきた」を読んで

小学校にプログラミングがやってきた

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。今回は上松恵理子先生が書いた「小学校にプログラミングがやってきた!」の「プログラミングでつく新しい力」の部分をご紹介します。この部分を読むとなぜプログラミングを学ぶ必要があるかが分かり、プログラミングについての理解が深まると思います。この本は出版される前から注目していたので、出版されて即購入しました。大変読みやすい本なので皆さんにもおススメですし、上松先生は教育学の博士号をお持ちですので、教育という立場から書かれた本として、私も納得できる部分が多いです。

プログラミングでつく新しい力とは

著者はプログラミングでつく新しい力として以下の4つを上げています。

  1. コンピュータの可能性を理解する
  2. みんながコンピュータの性質が分かる
  3. いろいろな見方・考え方ができる
  4. 表現力・創造力がつく

以下それぞれ簡単に説明します。

1.コンピュータの可能性を理解する

コンピュータを使っている人は多いのですが、皆さんが使っているのはソフトウェアですよね。ソフトウェアを使っていてもコンピュータの可能性を理解することはできません。私たちのホームページにも書かれていますが「コンピュータはプログラミングなのだ」です。

実際には、プログラムを作れば、コンピュータは「なんでもできます」。つまり、プログラムを作るときには、「こういうことをコンピュータにやらせたい!」と自分で「なんでも」決めてよいのです。そして「それをどうやって実現しようか?」も自分で考える必要があります。やり方さえ思いつけば、すごくとっぴょうしもないことでも、きちんと実行させられます。ですから、プログラムを作ってみるということこそ、コンピュータの無限の可能性に触れる機会であり、まさにコンピュータの可能性そのものを体験する、ということなのです。(11頁)

2.コンピュータの性質が分かる

コンピュータは実はとても単純です。その単純さについて理解する必要があります。

コンピュータそのものは「単純なことを」「ものすごい速さで」実行する機械です。プログラムはその単純な動作をたくさん積み上げることで、複雑なことを記述できます。コンピュータはものすごい速さなので、そのたくさんの動作を平気で実行するので、複雑なことができるのです。(12頁)

これは実は重要なことです。人間でもできることを、ものすごい量をこなすことができるのがコンピュータです。それは人間の能力では叶いません。ですから計算が苦手な人はもうコンピュータに任せてしまえばいいですし、実際には手で計算することは少なくなってきています。しかも電卓と違って計算するだけではなく、プログラミングすれば複雑な計算を自動で行ってくれるのです。

3.いろいろな見方・考え方

プログラムは答えがひとつではありません。「先生、これどうすればいい?」と聞かれても私が考えていたプログラムと違えば自分で考えてもらうしかありませんし、それは間違っているプログラムではありません。この答えがひとつではないというのは子どもたちにとっては衝撃的です。「本当は答えを知っているんでしょ?」と言われますが、私が想定していない作り方をする子どもたちはいるのです。私も心の底から「すごいね」と言えます。社会に出たら多くの問題が答えがひとつではないのですが、学校教育で答えがひとつだと思い込んでしまうと、社会に出たときに正解を追い求めて考えることができなくなってしまいます。

世の中の問題の多くは、解決のしかたも多様で、それぞれの解法にそれなりの正しさが含まれています。プログラミングにも大いにそのような性質があります。プログラミングの中の1つずつの命令は単純なので、自分がやりたいことを、どのように分解してそれらの命令にあてはめるのか、そいうところがプログラミングの鍵になります。柔軟にさまざまな見方ができると、アイデアがうまく出せて、プログラミングも上達します。(13頁)

4.表現力・創造力

プログラミングによってさまざまなものが表現できます。先ほども述べたように、私とは違った発想でプログラムを作る子どもたちも多くいるのです。そして誰でも触れることができのがプログラミングの魅力でしょう。

プログラムを作ることは、工具や防音室や汚れてもいい部屋がなくてもできますし、手先が器用でなくてもできます。じっくり考えることができさえすれば、何も障害がないのです。(14頁)

最後に

導入の部分ではありますが、簡単にご紹介させていただきました。私がプログラミングを教えて思うのは、考えることをくり返しすることで、考える癖をつけることができるというところです。考え続けるのは難しいことです。実際に算数や国語を考え続けさせるのは難しいことでした。プログラムを作ることであれば、簡単に考え続けることができるとは言いませんが、算数や国語よりも良いでしょう。そしてプログラミングを学んだ結果として、算数や国語も考える続けることができるようになればと思い、プログラミング教育を実践しています。

多くの方にプログラミング教室スモールトレインに参加していただくため、コースとして月2回、月4回、月8回とあり、曜日固定ではなく空いている時間に来られます。土曜日も開講しておりますので、遠方だからと悩んでいる方もぜひ説明会にご参加ください。お待ちしております。

現在、プログラミング教室スモールトレインでは、説明会&体験会を実施中です。説明会&体験会は12月10日(土)に開催します。日程のご都合がつかない場合は別日程で個別に説明させていた頂きますので、ご都合のよろしい日時をご連絡ください。

ご紹介した本:上松恵理子(2016)「小学校にプログラミングがやってきた!」三省堂

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