2016/07/01

機械に仕事を奪われる?

ロボット

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。第8回目は最近話題になっている「機械に仕事を奪われる」という記事をご紹介します。

昨年、野村総合研究所とオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士の共同研究で、10~20年後には、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、ロボットやAI(人工知能)がそれらに代替することが可能との研究結果が得られれたことからこうした話題が世の中に出てくることになりました。

機械に仕事を奪われる?どんな人の仕事がなくなるの?

野村総合研究所が発表した内容によれば、以下のような仕事が機械に奪われるようです。

創造性、協調性が必要な業務や、非定型な業務は、将来においても人が担う

この研究結果において、芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向があります。一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人工知能等で代替できる可能性が高い傾向が確認できました。
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

皆さんの記憶にも新しい「アルファ碁」の勝利。これは本当に衝撃でしたね。対戦前は囲碁界の天才児は余裕の発言をしていましたが、1勝4敗の完敗でした。嘘か本当か分かりませんが、以下のような話があります。

あるロボット学者の発言だそうですが、「実はあのとき、AIは考えた。全勝すると、自分が嫌われるかもしれない。だから、一度は負けておこう。しかし、最後に負けて、そのまま負け続けるような印象を与えるのもしゃくだから、4回目に負けて、そして最後に叩きのめすのがいいだろう」。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160620-00093267-diamond-bus_all&p=1

こうした冗談みたいな話が出るくらいAIは進んでいるようですから、先ほどの野村総研の研究結果も当たっているのかもしれません。しかし、その発表にもあるようにすべての仕事が奇怪に奪われるわけではありません。対面で会話(交渉)しながら物事を進めていく仕事は無くならないと言われています。

例えば国立情報学研究所の新井紀子教授は以下のように述べています。

「でも私はこの中の銀行の窓口業務よりも、『半沢直樹』がロボットに代替されるほうが先だと考えている」

その理由として新井氏は、彼の仕事が与信審査だという点を指摘する。

「与信審査は、お金を借りに来た企業の売上データとか、個人なら資産や職業などのデータを元に、どれだけの金額を、どんな条件で貸せばいいのかを判定する仕事です。その特徴は『確率的に当てればいい』ということ。1000人借りに来たなら、そのすべてで個々に利益を出す必要はなく、全体として利益が出ればいいのです。そういう確率的な最適化は、ロボットは本当に得意」

これに対して、窓口業務はソリューションを提供する仕事で、ロボットでは難しいと新井氏は強調する。

「窓口には色々な人が来ます。中には、自分がどういうつもりで来たのかもよく分からない人さえいます。しかも一期一会です。そこで求められることは、最適化でも、分類作業でも、検索作業でもありません。来た人はこういうことを言っているのではないかと考えながら、ソリューションを提供することです。これはまさにドラえもんの世界で、今のところ、ロボットでできる見込みがまったくない」
http://www.sbbit.jp/article/cont1/32252?page=2#head4

こうした内容をふまえると今まで誰にでもできると思われていた仕事が機械に奪われず、誰にでもできないという仕事が機械に奪われてしまう可能性があるということでしょう。どんなに計算が得意な人でも、どんなに暗記が得意な人でもコンピュータに勝つことはできません。

自分たちのアイディアを形にして新しい価値を創りだす訓練をしていくことが、これから求められます。特に、今の子供たちはますますそうした能力が必要になってきます。プログラミング教室スモールトレインでは、そうした能力を育成すべく算数をプログラミングすることとコンピュータリテラシーを重視しています。ご興味のある方は7月10日(日)の説明会&操作体験会にお越しください。ご参加をお待ちしております。

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