2016/08/22

グーグルVSアップルVSフェイスブック

コンピュータ

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。今回は「ザ・プラットフォーム~IT企業はなぜ世界を変えるのか」のご紹介です。この本の著者はマッキンゼー、グーグル、楽天。リクルートなど11社を経験しており、そこから見えてきたものを「プラットフォーム」という形でまとめています。

そもそも「プラットフォーム」とは何かというと「ある財やサービスの利用者が増加すると、その利便性や効用が増加する「ネットワーク外部性」がはたらくインターネットサービス」(13頁)のことを指します。こうしたネットワークに現在、参加しやすくなっているので、プラットフォームの影響力が大きくなっていると言えるでしょう。

そこで今回はこの本の内容の一部であります第2章「プラットフォームの「共有価値観」」についてご紹介します。ここではグーグル、アップル、フェイスブックについて説明されているので、内容としても大変面白いものになっています。

第2章は3つの企業の共有価値観について説明しているので、順に説明していきます。

グーグル

「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」(33頁)という価値観を持っています。グーグルの目指す世界というのは「あくまでも人間が選択肢を増やして、能動的に生きられる手助けをすること」だということであり、そのために「余計な手間の自動化であり、マインドフルネスという哲学」を実践しているということでしょう(45頁)。

そのため車の自動運転にもグーグルは進出しているわけですね。とにかく手間を省き、そのなくなった手間の分、人間ができることが増えるということなのだと思います。これは決して人間が楽をするサービスではなくて、人間が自分がやっていることにより集中できるということです。

アップル

「誰かと違う自分だけの価値観を持とう。そのための助けをするのがアップルなのだ」という共有価値観を持っています(46頁)。ipadは人々の持つ価値観を支援するツールとして機能するものだということです。

他人と違う価値観を追及する手助けをするツールを生み出すこと。確かにアップルがこれまでやってきたことはそれを示していると思います。さて、アップルウォッチはどうなるのでしょうか。

フェイスブック

「フェイスブックのミッションは、人々に共有する力を与え、世界をよりつながれたオープンな場にすること」(67頁)。これがフェイスブックの共有価値観です。フェイスブックによって友達関係はより広くなったと言えるでしょう。こうしたフェイスブックを筆者は「人間関係のOS」(77頁)と表現しています。

確かにフェイスブックを利用することで人間関係は「薄く広く」なったと言えます。この「薄く広く」は「友達」とは言えないという批判はあるのですが、濃密な人間関係にメリットでデメリットがあるように、薄く広い人間関係にもデメリットだけではなく、メリットもあるということは覚えておいた方が良いでしょう。

この本ではそのメリットを研究者の言葉を引用して、「人生の転機において決定的な影響を与える情報が「ちょっとした知り合い」からもたらせることが多い」とししています(70頁)。フェイスブックを利用している方なら、こうした意見も理解できるのではないでしょうか。

私達のプログラミング教室スモールトレインでは、コンピュータリテラシーも授業内で実施ており、このような企業の価値観も紹介しています。このような企業の価値観を理解することで、今後、子どもたちにが何かを考える際にヒントを提供してくれるはずです。今後も授業内で面白い考えをどんどん紹介していきたいと思います。

現在、プログラミング教室スモールトレインでは、説明会&体験会を実施中です。9月の説明会&体験会は9月11日(日)、9月22日(木)です。ぜひお気軽にご参加下さい。

参考文献 尾原和啓『ザ・プラットフォーム~IT企業はなぜ世界を変えるのか』 NHK出版、2015年

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